こんにちは、エグゼクティブプロ講師の丸山です。 過去2回の記事で国語の重要性についてお伝えしました。まだ読んでいないという方はぜひご一読ください。
バックナンバー:
医学部受験における国語の重要性(その1/国語の占める割合)
医学部受験における国語の重要性(その2/国語力=自習力)
  医学部受験でも国語が重要であることはご理解いただけたと思うので、1週間ほど空いてしまいましたが、今回はその続きで「春からやるべき対策について」がテーマです。 (実はこの1週間、食あたり?食中毒?による下痢・高熱にうなされていました。健康って本当に幸せなんどと痛感しております。)

「古文・漢文」が勝負の鍵

センター国語は、時間との戦いです。 80分で評論・小説・古文・漢文の4題、つまり、1問あたり20分ペースとかなりのスピードが求められる試験です。これを十分な対策なしに高得点を取ろうとするのは、Tシャツ短パンにサンダルで富士山に登るようなものです。 特に評論を20分で解くというのは、受験生にとってかなりの高さのハードルです。 ”なら、速く読む練習をして、読解スピードを上げよう!” となりがちですが、文字を読むスピード自体を上げる訓練をしてもあまり意味はありません。速読大会ではないので、しっかりと内容を捉えながら読むことを考えると、1分あたりで読める文字数には限界があります。   では、どうすべきか。

センター国語においては、評論を短時間で解くことよりも、評論にかける時間を増やすことがポイントです。

つまり、古文・漢文に素早く処理し、より多くの時間を評論に費やすことが大切なのです。

  さらに言えば、古文・漢文は英語などに比べて圧倒的に覚える量が少なく、十分な学習時間を確保できれば、満点を狙える科目でもあります。   覚える量が少ないなら、後回しでいいんじゃない? 10月ぐらいから始めても間に合うでしょ。   後回しにした結果どうなるかを先に述べておきましょう。 後回した圧倒的多数派は、ずばり

国語を捨てることになります。

  なぜなら、10月以降に国語に割ける時間は非常に限られているからです。 医学部受験において対策すべきセンター科目は国語だけではありません。多かれ少なかれ、英語や数学などの理系科目も対策は必須です。さらに、センター対策ばかりをやっていては2次試験に対応できません。2次試験に対応できる力を伸ばしつつ、センター対策をおこなっていく必要があります。 そんな超多忙な秋以降に、国語に時間を割ける余裕はあるのでしょうか。 秋からセンター国語対策を始めようと思っている生徒の多くは、国語などやっている場合ではなく、より配点の高い英語や数学を優先しがちになり、結果国語はほとんど手付かずで挑む羽目になります。 だからこそ、春から計画的に対策しておく必要があるのです。

春から始めるセンター古文

センター古文対策は、まずなによりも”「単語」と「文法」” です。 古文が苦手もしくは得点が伸びない生徒のほとんどは、基礎があやふやです。単語も助動詞も助詞もすべて曖昧に覚えた状態で試験に臨み、現代語の感覚からなんとなく雰囲気で選択肢を選んでしまいます。すると、現代語の感覚で選ぶ人用のひっかけの選択肢にまんまとはまってしまい、読めたつもりが見当違いの解答になってしまいます。兎にも角にも、まずは基礎を固めることを最優先しましょう。 センター古文は、基礎的な知識を活用することで解ける問題が20〜25点程度あります。第1問の短文を訳す問題や、第2問の文法を問う問題はもちろん、第4問あたりによく出る「正しく解釈せよ」という問題も、傍線部に含まれる単語と文法を捉えることで選択肢を削り、消去法的に正解を導き出すことができます。 センターレベルで覚えるべき古文単語数は300〜400しかありません。英語の単語量に比べれば圧倒的な少なさです。春から計画的に取り組めば、1週間に30個覚えるペースでも2ヶ月半〜3ヶ月程度で1周できるので、センター本番までに3周以上することができます。 単語と並行して、古典文法も学びましょう。正しく文章を捉えることができ、読解力の向上につながります。 古文の助動詞や助詞は、現代語訳する上で大きな影響を与えます。 英語で考えれば、当然ですね。

I play soccer.(私はサッカーをします。)

I can play soccer.(私はサッカーをすることができます。)

I must play soccer.(私はサッカーをしなければなりません。)

英語を読むときには、助動詞をしっかり訳して読みますよね?無視してしまっては、話の方向がずれてしまいますから。 古文も同じです。助動詞を無視することはできません。 例えば、助動詞「む」には推量・意志・仮定・婉曲・適当・勧誘の意味があるので、「む」だけでも「〜だろう」「〜するつもりだ」「〜ならば」「〜のような」「〜する方が良い」「〜してはどうか」と複数の訳し方があります。まずはしっかりと「む」の用法と訳し分け方から学びましょう。 助詞についても同様です。副助詞「だに」は、「〜さえ」と類推を表す場合と、「せめて〜だけでも」と最小限の願望を表す場合があります。助詞一ついるかいないかで訳のニュアンスが大きく変わってしまうの注意しましょう。

春から始めるセンター漢文

漢文に関しては、古文の古典文法以上に覚える量が少なく、得点を稼ぎやすい科目です。 まず、やるべきことは、句形をマスターすること。 漢文はこれにつきます。漢文で覚えるべきことの約8割が、句形です。使役や受け身、疑問などおよそ10種類に分別できる句形をそれぞれ7〜10パターンずつ覚えましょう。句形はすべてで100種類弱といったところでしょうか。 これがマスターできれば、あとは重要漢字を覚えるだけ。 置き字や副詞、多義語など漢字もすべてで100種類弱です。 つまり、漢文全体で覚えるべきことは200個程度なので、英語などに比べれば何十分の1といったところです。これを覚えて、センター過去問など問題演習を繰り返すことで満点が狙えます。しっかり準備しない手はありません。     以上が、簡潔にまとめた春からやるべきセンター国語の対策です。 しっかり取り組んで、センター高得点を目指してください。 次回は、対策をする上でオススメの参考書を紹介します。  
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【著者プロフィール】 maruyama 丸山 由朗 ( MEDUCATEエグゼクティブ講師 ) 上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒   大学在学中にブラジルへ留学し、その間に南米大陸を一人旅で巡った経験を持つ。現在、国語/世界史講師として活躍しているが、ポルトガル語も堪能である。また、古代中国に対する造詣も深い。  

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