医学部受験における国語の重要性(その1)
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こんにちは、エグゼクティブプロ講師の丸山です。
ここ数日雪が降ったりと春の訪れを忘れさせる陽気が続いていましたが、今日からは春本番の暖かさですね。
昨日、一昨日で国立後期の発表も大方終わり、2018年度の受験が幕を閉じようとしている一方で、春期講習も始まり、いよいよ2019年度の受験の始まりを感じています。4月から高校3年となり受験生本番となる現役生に、そして、今年は惜しくも合格を掴めなかった浪人生に、受験が始まる今の時期だからこそ、伝えておきたいことがあります。
国公立医学部を目指す受験生よ、
センター国語を甘く見るな!
センター国語の占めるウェイト
「え?国語ってセンターでだけでしょ?11月ぐらいからやればよくない?」
「国立の二次試験は、英語と数学と理科だけだし、、、まずは理系科目と英語を優先で」
「滑り止めで受ける私大医学部でも国語は使わないし、第一志望のセンター国語の配点もそんなに高くないから」
医学部受験に携わる中で、英語と数学と理科2科目の重要性は重々承知しております。だからこそ、センターでしか使わない国語は計画的に準備しておく必要があるのです。
千葉大医学部や東京医科歯科大学医学部のように、センターの点数が圧縮され、2次試験勝負になりやすい大学を受験する場合は相対的に国語のウェイトは下がってしまいます。
が、一方で、センター試験:2次試験の比率が1:1に近い大学もあります。
大阪大学医学部は500:600で内国語は100点分です。筑波大学医学部は、900:1100で内国語が200点です。2次試験は英語・数学・理科が各300点(+面接)の配点と比べても、センター国語の占める割合は10%とかなり高く設定されています。
さらに、山形大学医学部(900:600)や島根大学医学部(700:460)、徳島大学医学部(900:400)のように、センター試験の割合が高い大学の医学部においては、2次試験の配点と同等かそれ以上に設定されている場合もあります。
センター国語の失敗は致命傷になりうる
もちろん、千葉大学医学部や東京医科歯科大学医学部のようにセンターのウェイトが低い医学部を第一志望と定め、2次で勝負するための力をつけることを優先し、合格を勝ち取ってきた先輩たちは多くいます。
しかし、そうそう計画通りに成績は伸びないのが現実です。私個人の経験則ですが、春に決めた第一志望のまま受験する生徒は全体の10%程度で、ほとんどの受験生が途中で志望校のランクを下げるのではないでしょうか。(最初に高いランクを目標に掲げることで高みを目指して努力することは、とても良いことです。)
第一志望に掲げていたセンター比率の低い大学から、直前になってセンター比率の高い大学へ志望校を変え、焦ってセンター対策に走り、失敗するケースは多くあります。特に様々な事情により、絶対に国立医学部に行くと決めている受験生にとっては、各国立大学医学部のセンター比率の違いは十分考慮して計画を立てなければなりません。
センターの得点は圧縮されるからと鷹をくくり、「国語は平均点で」などと考えていると痛い目に会います。
志望校によってはセンター国語の配点が全体のおよそ10%を占める「200点」になるわけですから、平均点前後の120点しから取れなかった場合、160点以上の高得点を取った受験生との差は40点以上開いてしまいます。
この40点の差を他の科目で埋めることは非常に大変です。センターの多科目や2次試験で「40点」分稼がなくてはいけません。医学部2次試験レベルの問題で40点の差を逆転するにはかなりの努力が必要と言えるでしょう。
国公立医学部受験におけるセンター国語の重要性は理解していただけたでしょうか。
今回はここまで。次回、春からやるべきことについて触れたいと思います。
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【著者プロフィール】
丸山 由朗 ( MEDUCATEエグゼクティブ講師 )
上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒
大学在学中にブラジルへ留学し、その間に南米大陸を一人旅で巡った経験を持つ。現在、国語/世界史講師として活躍しているが、ポルトガル語も堪能である。また、古代中国に対する造詣も深い。