こんにちは、美容外科・形成外科医 兼 ハイクラス家庭教師MEDUCATE代表の細井龍です。 前回より多浪生の特徴というテーマでコラムを書かせて頂いています。 前回記事:現役医師が考える多浪生が合格できない8つの理由【その1/基本計算能力、国語力が低い】

多浪生の特徴

1. 基本計算能力・国語力が低い(=解く、読むスピードが遅い) 2. 複数のタスクをこなすのが苦手 3. 頑固で自分のやり方を変えない 4. 予備校に真面目に通うことで成績が伸びると思っている 5. 自分流の勉強を続け、他人との比較や客観的評価を嫌う 6. 自分ができないことを認めない 7. すぐに言い訳をする 8. 親が金持ちで甘い

  今回は2の「複数のタスクをこなすのが苦手」というポイントに言及していこうと思います。

複数のタスクをこなすのが苦手

医学部受験の難易度を上げる要因、すなわち多浪が量産される原因は、やはり科目が多いことが挙げられます。 国公立医学部の場合は5教科7科目、あるは理科が3科目の場合もあり、その場合は5教科8科目になります。私立医学部志望でも、4教科をバランスよく仕上げなければなりません。 多浪生に落ちた理由を聞くと、だいたい出てくるのが 「去年は数学英語に時間がかかり理科に手が回りませんでした」 「センター国語で失敗しました」 「落ちた理由は分かっています。数学なんです。」 と言った自己分析をよく聞きます。 理由を考えるというのは、非常に有用で、自己分析ができていないのは論外ですが、フィードバックが非常に曖昧でお粗末ですと本年度の受験も怪しくなります。   おそらくいずれも早期から想定できていた問題で、直視せずに1年間過ごしてしまったがために不合格になってしまっています。途中で適切な方向修正ができていれば、致命傷(不合格)に至らなかった可能性もある思います。 そういった生徒に限って、理科に時間が回らないほど英語数学を徹底的に頑張ったのかと思い、テストしてみると、英語数学ですら、医学部合格水準に達していないといった事例は頻繁に遭遇します。つまり、総じて計画性に欠けており、自分の能力の把握を怠っているのです。 まず、医学部受験の本質を捉えなければなりません。 例えば看護学部であれば、専門学校は筆記試験が英語と、数学Ⅰ・Aのみといった学校は散見されます。なぜ看護学部だと試験科目が少なく、医学部だと多いのでしょう。

科目数から見た医学部受験の本質

まず、科目を増やせば増やすほど、処理能力が低く、回転の遅い生徒は、科目の数についていけず、ふるいにかけられるからです。大学受験は、90%が合格する医師国家試験と違って、落とす試験ですから、明確な能力差が露呈する試験が有用です。誰でも受かる試験では選抜が出来ません。

また、医学部合格、すなわち医者になるという事は、複数の科目を同時並行でバランスよくこなす頭脳のキャパシティと処理能力を求められているということです。仕事柄、負荷の少ないタスクで、キャパオーバーになっていては、目の前の患者を危険に晒すこともあり得ますし、医療現場のリーダーとしての職務は全うできません。 医学部受験はただ医学部に入るという事だけでなく、”将来的に医師免許を取得するに値する最低の能力を試されている”と考えるべきです。 次回はその具体的な事例、対策について話していきます。 続きはこちら:【医学部受験】現役医師が考える多浪生が合格できない8つの理由【その2−2】    
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関連記事:【医者が教える生物勉強法 vol.1】医学部生物の基本方針
 
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著者プロフィール】
MEDUCATE代表/形成外科医/マイナビ家庭教師医学部受験コース監修責任者 細井 龍 渋谷教育学園幕張高校−千葉大学医学部卒 千葉大学医学部在学中から医学部受験指導に携わり、他塾で全く結果の出なかった生徒を独自のメソッドを用いて医学部などの難関大に何十 人と送り込んできたカリスマ講師。某大手個人指導塾で最高ランクのプロ講師を務めてきた。 授業内容の濃さには他の講師とは一線を画すものがあり、情熱的でかつ理論的、効率的な授業を行う。精神論や脳科学的勉強法にも造詣が深く、具体的な勉強だけでなく、学習内容をどう効率的に自分の使える知識に昇華させるかを伝えることに重きを置いている。 医業の忙しさもあり、直接持てる生徒の数が限られてきたため、MEDUCATEを設立し、後進の育成と指導メソッドのマネジメントに従事し、他塾では行えない最高の教育環境を作り上げることを目指している。 2016年春よりマイナビ家庭教師医学部受験コースの監修責任者を務める。

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