こんにちは、MEDUCATEエグゼクティブ講師の丸山です。 日に日に寒さを感じるようになり、コートの準備が必要な季節になりました。もう冬は目前、つまりセンターが目前に迫ってきています。前回のコラムから少し間隔があいてしまいましたが、みなさんセンター国語の準備は万端ですか? これまでの書かせていただいた内容を踏まえた上で、今回はセンター国語第2問(小説)対策について考えていこうと思います。 →秋からのセンター国語対策ー第1問(評論)編秋からのセンター国語対策ー第2問(小説)編①   今回の小説対策のテーマは、「心情の捉え方』です。 ずばり、心情を捉えるためには必要なのは、

①人物描写

②心情描写

③場面描写

の3点です。それぞれ詳しく述べていきます。  

①人物描写

簡単にいうと、登場人物のキャラクターです。性別や年齢、職業、現在の状況などリード文や本文からわかる内容は必ずチェックしましょう。 キャラクターが変われば心情も変わります。例えば、同じ場面においても、60歳のおじいさんと10歳の女の子で感じることや考えることが同じになることは、まずないと言えるでしょう。 さらに、同じ人物でも状況が変われば心情も変わります。彼女ができたばかりなのか、別れてしまった後なのかによって心情は変わるのは当然と言えるでしょう。 このように登場人物のキャラクターに注目することで、心情が見えやすくなります。  

②心情描写

文字通り、心情が描写されている表現には注目しましょう。「嬉しい」や「悲しい」といった直接的な表現だけでなく、「顔を赤らめた」や「二の足を踏んだ」といった慣用句的な表現にも気をつけましょう。 本文に散りばめられている心情表現にどれだけ敏感になれるかが大きな鍵です。そのためにも、慣用表現などの語彙力は十分身につけておきたいところです。  

③場面描写

最後は、場面の描写です。その場面がどのように描写されているかに登場人物の心情が映し出されることがあります。 例えば、 ⑴ 高校生のAくんはいつものように土手に腰掛け、真っ赤に燃える太陽が地平線の彼方へ進んでいく姿を見つめていた。 ⑵ 高校生のBくんはいつものように土手に腰掛け、太陽が闇に沈んでいく姿をただ見つめていた。   AくんもBくんも同じ行動を取っていますが、同じ心情でしょうか? Aくんにとっての太陽は真っ赤に燃えているので、青春に燃えているような感じがしませんか? Bくんは闇に沈んでいく太陽と同じように、落ち込んでいる様子が見えませんか?   このように場面がどのように描写されているかに注目することで、その場面における登場人物の心情を感じることができます。登場人物のキャラクターや他の心情描写とセットで考えると、より一層心情が読み取りやすくなります。   前回お話した通り、センター試験はその性格上、あくまでも本文中の描写に根拠が隠されています。その根拠を見つけるポイントととして、以上3点にはぜひ注目してください。最後の最後で2択で迷ったときなどにも、決め手になるかもしれません。    
【著者プロフィール】maruyama 丸山 由朗 ( MEDUCATEエグゼクティブ講師 ) 上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒 大学在学中にブラジルへ留学し、その間に南米大陸を一人旅で巡った経験を持つ。現在、国語/世界史講師として活躍しているが、ポルトガル語も堪能である。また、古代中国に対する造詣も深い。