○2年間の研修期間 ~ローテーションで学ぶ~
医学部を卒業し国家試験に受かると、研修医という医師【トレーニング中】のような身分になります。研修医を2年間修了しないと、一人前の医師にはなれません。研修医では「バイト」が禁止されており、研修病院以外で基本的に医療行為ができないように制限されています。収入は最低限、月収20万程度が国から研修病院へ補助金が出ており、確保されています。さらに病院側は待遇を上げることで、研修医を呼び込みます。研修医は2年間、内科系、外科系、マイナー系(眼科、皮膚科、整形外科など)をまんべんなくローテーションし、学ぶと共に、研修医修了後に進む自分の志望科を決めていきます。○研修先を決める ~指導医の監督の下で学ぶ~
基本的に大学病院は給与が安く、市中病院の方が高い傾向があります。東京都内の相場で言うと、月20万~月50万くらいと非常に幅があります。僻地だとそれ以上の高額条件での研修も可能だそうです。研修医と言っても、医師免許を持っていることに変わりないので、医師の業務は全て可能です。しかし、医師の手技には合併症のリスクを伴うものも多いため、研修病院に対し、国から教育、監督の義務が課せられ、指導医監督のもと様々な医療行為を練習します。 研修先を決める際に医学生側として、検討する項目は- 給与
- 立地
- 仕事の辛さ
- 研修プログラムの内容
- 病院の知名度
○研修医の就職活動 ~病院とのマッチング~
この医学部6年生の就活のことをマッチングと呼びます。医学部生が病院が施行する試験を受験し、その結果で病院が医学生に順位をつけ、また医学生側も行きたい病院に順位を付け、それをアルゴリズムを用いて、マッチさせていき、研修病院が決まるようになっていることから、マッチングと呼ばれています。試験内容は病院によって異なりますが、一般的なのは、筆記試験/小論文/面接です。面接だけの病院もあります。有名病院になると、英語の試験を課したり、内科認定医レベルの難問を繰り出し、医学生の中でもさらにトップ層の勉強熱心な子を採用しようという意志が見えますね。 医学部に入る時点では、皆同じくらいの成績の人が集まっていますが、卒業するときには成績に歴然とした差が生まれます。学生生活6年間ありますから当然のことですが、医学部に入ってから勉強するか否かは、本人次第で、正直なところ大して勉強せず遊んで暮らしていても、ポイントさえ外さなければ卒業でき、医師国家試験にも受かります。なんといっても医師国家試験は合格率90%ですから、運転免許並みの平易な試験だと思います。○国家試験への勉強 ~膨大な暗記量~
医学部に入ってからの勉強はやはり暗記がメインで、数学、物理の受験知識はほとんど必要ありません。生物、化学の受験知識は少し役立つ場面はあります。物理選択の人は医学部2年生の生化学や生理学で少し辛そうにしていた覚えがあります。 6年間を通ずると、暗記の量は確かに膨大ではありますが、MEDUCATEで培われる学習法を身につけていれば、難なく効率的にこなせると思います。非効率な勉強は人生の大切な時間を蝕みます。無駄な留年や国試浪人を防ぐためにも、能動的学習、超効率的勉強法を身につけて欲しいと思っております。 第4回へ続く→【第4回】現役医師兼プロ講師から見る医学部受験 -医者になってからのお金の話-<バックナンバー>