【医学部極意シリーズ2】医学部合格者を輩出する高校における「普通」と「環境」
記事執筆者
松本侑士
中央大学在学中から教育に携わり、新卒で大手塾に入社。教室長まで務め、生徒の将来と真摯に向き合い、驚異の合格実績を残した。2019年よりMEDUCATEの教務主任となり、理想の教育実現に向けて勇往邁進する。
夏は受験の天王山?
みなさんこんにちは。
5月とは思えぬ暑い日が続き、5月でこれでは、6月、7月、8月はどうなってしまうのか、恐ろしくなってきますね、、
暑いのが苦手な私にとってはまさに地獄のようです。
さて、そんな暑い夏ではありますが、受験生にとって夏は「天王山」と呼ばれる時期ですね。
そもそも天王山とは、京都府にある標高270mほどの山で、水陸交通、軍事上の要所たる場所でした。
1582年山崎の戦いにてかの豊臣秀吉が明智光秀を破ったことで有名ですね。
そのことから、勝敗の重大な分かれ目を指す言葉として、「天王山」が用いられるようになったそうです。
なるほど、夏という時期は受験生にとって勝敗の分かれ目を決める時期なのだ、となるわけですが、ここで勘違いを避けるためにハッキリと申し上げます。
夏だけ頑張ったって受かるわけないですからね!!
そもそも、夏頑張れる人は春も頑張ってますからね!!
夏が何故天王山と呼ばれるのか、その理由は簡単です。
夏休みのお陰で、学習に避ける時間が圧倒的に多い、それだけです。
学校がある日の学習時間を5〜6時間とすれば、学校のない日は12〜14時間(医学部を狙うならこれくらいはやってほしい!)。
およそ倍以上の時間を使える、その期間が夏休み。
一日14時間学習したとしたら、週に98時間、1ヶ月で420時間ほど勉強できます。
学校のある期間で考えると(平日6時間休日12時間で計算)、週に54時間、1ヶ月で220時間ほどでしょうか。
1ヶ月で200時間も差をつけられる、夢のような期間ですね!
ただ先ほども声を大にして申し上げた通り、夏だけ頑張ってクリアできるほど、受験、特に医学部受験は易しいものではありません。
まず、時間があるのはあなただけではないということ。
これはハッキリ意識してください。
先程は夏休みとそうでない期間で比べましたが、次は夏休みに14時間学習した人と、10時間しか勉強しなかった人を比べましょう。
一日あたり4時間の差、夏休みが40日程度あると仮定して、合計160時間。考えただけで恐ろしいですね。
要するに、夏休みは追いつける、追い越せるというチャンスと紙一重で、追い抜かれる、追い越されるというリスクが隣り合っています。
それに気がつかず、主観的に「かなり勉強した」という気になっている人は多く、
「一日10時間も勉強したわ〜」
「昨日12時間もやったから明日は花火大会行く〜」
と、ライバルがどの程度やっているかを考慮せず、結果夏休みに取り返しのつかない差をつけられてしまう可能性があるわけです。
浪人生や再受験生(状況によりますが)はそもそも学校が普段ないわけですから、現役生はここで死ぬ気で追いつかねば、あとはジリジリと差をつけられる一方です。
いい意味でも悪い意味でも「天王山」であるということをしっかりと自覚して夏休みに臨みましょう。
「よし、今まで運動したことないけど、42.195km走るぞ!」
これ、絶対無理ですよね?
同様に、夏休み前の5,6月に大して勉強もせず、習慣もつけず、やり方も身につけず、計画も立てていない人が、天王山たる夏休みを最大限活用できるとは思えません。
今のうちから「体力」と「習慣」、「方法」と「計画性」を身につけておかねば、いざ夏休みに入った時、
「まずなにからやろうかな」
「今日は暑いから集中できないなー」
なんてことになり、燦々たる結果のみ待ち受けることになります。
今は部活もあるし学校もあるし忙しいから、夏は頑張る。そんな都合のいい楽観的にも程がある考えは今すぐに捨ててください。
刻一刻と時間は進み、この間にもライバルはあなたに圧倒的な差をつけようと、日々学習に励んでいます。
かの秀吉が、山崎の戦いの当日になって、「今日明智どうやって倒そうか?川とか谷とか上手く使えばいけるかな?」と考えていたと思いますか?
地形や戦力、戦術などを入念に考え、準備していたに決まっています。
以上のことから、夏を制するものが受験を制するとも限りません。
ただ、受験を制するものは夏を制しています。
今のうちから自分を厳しく律し、天王山に向けての体力、精神力を養っておきましょう。
運命の分かれ目は、もうすぐそこまで来ています。