記事執筆者

松本侑士

中央大学在学中から教育に携わり、新卒で大手塾に入社。教室長まで務め、生徒の将来と真摯に向き合い、驚異の合格実績を残した。2019年よりMEDUCATEの教務主任となり、理想の教育実現に向けて勇往邁進する。



こんにちは。医学部受験塾MEDUCATEの松本です。

今回は前回に続き、医学部再受験とその方法についてお話します。

近年、大学在学中または卒業して社会人になってから、再度医学部を目指す「再受験」が増えていることに触れましたが、受験をする方法は「一般入学試験」か「学士編入試験」の2つに分かれます。

様々な項目について両者を比較してみましょう。
どちらの受験スタイルが良いのかは、自己の状況や環境がどちらの形式にマッチしているかを考慮して選んでください。

0.そもそも

学士編入試験は基本的に4年生大学を卒業した者(学士)に、医学部へ編入させ、医学教育を受けさせるものです。※学士でなくとも編入を認める大学もある(群馬大、筑波大)。
従って、現役生や浪人生は基本的に受験資格がありません。
学士編入で合格する方の年齢層は20台後半から30代前半が多いと言われますが、一般入試と同じく、基本的に年齢は関係ないと考えてください。
年齢よりも、自身の学力は当然とし、今までの研究や経験、キャリア、そして何故医学部への編入を志望し、医師となって何を成し遂げたいのか、ここが重要となってきます。

1.受験できる学校数

【一般入試】

私立は日程が被らなければ何校でも併願可能。

国公立は前期・後期の最大2校まで。

【学士編入】

2019年現在、私立は5校のみ(東海、岩手医科、北里、金沢医科、獨協医科)が学士編入試験を採用。

国公立は28校が採用しており、日程の許す範囲で何校でも受験が可能。

2.受験科目

【一般入試】

私立は基本、英語・数学・理科2科目。

国公立はセンター5教科7科目、2次試験で英語・数学・理科2科目(例外もあり)。

【学士編入】

英語・生命科学(生物・化学・物理を織り交ぜたような分野)。

学校により、数学・物理・化学を別で課す大学もある。

3.面接

【一般入試】

軽視とまでは言わないが、重視しない大学もある。

【学士編入】

非常にウェイトが高い。

4.受験倍率

【一般入試】

倍率は高い。しかしながら、倍率が高い=難易度が高いではないことに注意したい。 現に、国公立大学医学部で最も受験倍率が低いのは大阪大学医学部(偏差値70)で、倍率は1.9倍だった。

【学士編入】

国立大学では10倍~40倍とかなり高いが、実質はそうでもない。 というのも、一般入試と違い、学士編入では国公立を複数校受験できるのが大きい。 また、「とりあえず」受ける層も少なからず存在している(一般入試と違い、相対的評価が難しいため)ので、受験倍率が実質以上に膨らんで見えている可能性もある。 ただし、学士編入を目指す層は東京大学・京都大学卒のエリート層、または大学を経て現在も研究職に就いている層がほとんどなので、総じてライバルのレベルが高い。 そのため、学士編入試験においては「自分の行きたい大学」にこだわるのではなく、複数校受けられるメリットを考え、「数を受けて合格した大学に行く」イメージで受験する必要があります。

5.入学時期

【一般入試】

言わずもがな1年次。

【学士編入】

2年次前期・後期、3年次前期(大学による)。

以上5つの観点から2つの入試を見比べてみましたが、いかがでしたか?

自身がどちらの入試を選ぶべきか、その判断材料として利用していただければ幸いです。 なお、「2つ併用しよう」という方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらはお勧めできません。

双方でウェイトを置く部分が異なるため、二兎を追うとなると、およそ全ての項目にウェイトを置く必要がでてきてしまい、結果一兎も得ずに終わってしまう可能性が高くなります。

なお、学士編入試験については、以下の動画でも紹介しておりますので、迷っている方はぜひご視聴ください。

我々は、医の道を志す方を分け隔てなくどなたでも、全力で応援いたします。

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