何度も言いますが、問題にしているということは現代語で解釈してはいけません。なので、”ありがたし”は「感謝する気持ち」ではありません。”おとなし”も「物静かな性格」ではありません。ただ、”はづかし”は文脈によっては「恥ずかしい」となることもありますが、重要なのはもう一つの意味です。 では、解答です。1.ありがたし
-(1)
2. おとなし
-(1)
3.はづかし
-(1)
-(2)恥ずかしい
古文単語は、ひらがなで書かれた単語から感じをイメージできると覚えやすくなります。 さて、本題に入りましょう。 今回のテーマは、「規則動詞の活用」です。 古文の動詞の活用にも、規則動詞と不規則動詞のようなものが存在します。 規則動詞は、四段活用・上二段活用・下二段活用の3つです。いわゆる規則動詞なので、ほとんどの動詞の活用はこの3つのいずれかに当てはまります。 規則動詞は未然形で活用を見分けます。つまり、「ず」につながる形で見分けます。 走ら/ず ー「ず」の前がア段音 →四段活用 起き/ず ー「ず」の前がイ段音 →上二段段活用 受け/ず ー「ず」の前がエ段音 →下二段活用 上二段活用で気をつけるべきなのは、「老ゆ」「悔ゆ」「報ゆ」の3語です。 この3語はヤ行で活用するので、「い/い/ゆ/ゆる/ゆれ/いよ」という活用になります。 また、下二段活用の注意点は、「植う」「飢う」「据う」はワ行で活用するので、「ゑ/ゑ/う/うる/うれ/ゑよ」という活用になります。 そして、「得」「経」「寝」の3語は、語幹がありません。活用自体は、下二段活用なので「え/え/う/うる/うれ/えよ」ですが、漢字で書くと「得/得/得/得る/得れ/得よ」となります。読み方に気をつけましょう。 今回は規則動詞の四段活用・上二段活用・下二段活用のポイントを説明しました。次回は不規則動詞です。1.ありがたし(有り難し)
-(1)(有ることが難しいので)滅多にない
2. おとなし(大人し)
-(1)大人っぽい
3.はづかし
-(1)(こっちが恥ずかしくなるぐらいに相手が)立派だ
-(2)恥ずかしい
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【著者プロフィール】 丸山 由朗 ( MEDUCATEエグゼクティブ講師 ) 上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒 大学在学中にブラジルへ留学し、その間にボリビア・ペルー・チリ・アルゼンチンを一人旅で巡った経験を持つ。現在、英語/世界史講師として活躍しているが、ポルトガル語の方が得意であるという噂がある。