【医学部合格極意シリーズ7】夏期講習とは

記事執筆者

松本侑士

中央大学在学中から教育に携わり、新卒で大手塾に入社。教室長まで務め、生徒の将来と真摯に向き合い、驚異の合格実績を残した。2019年よりMEDUCATEの教務主任となり、理想の教育実現に向けて勇往邁進する。

光陰矢の如し、もう7月です。2つの意味で”アツい“季節がやってまいりました。

自分が受験生の頃を思い出します…

朝起きてまず単語帳を片手に持ち、そのまま朝食を食べ、顔を洗うときはCDラジカセを使って熟語帳や単語帳の音声を聞き、家から塾に向かうときも単語帳片手に歩き…

塾についてからもとにかく勉強、そして授業では愛の鞭を打たれ……笑

7,8月はまさに汗と涙と血(!?)にまみれた夏でした。

ただ、この夏があったからこそ飛躍的に成績を向上させ、一気にライバルを追い抜き追い越せたし、結果それが自信となり、秋以降への学習に繋がったと、今になっても思います。部活の終わった現役生などはちょうどこの時期に、「よっしゃ!やるぞ!」とさぞ燃えていることでしょう。

ただ、「やるぞ!」とやる気になったはいいものの、どうやって勉強しよう?となってしまう受験生も多いのではないでしょうか。

「そうだ!夏期講習を受けよう!」となったそこのあなた。

ちょっと待ってください、本当にそれが正解なのでしょうか?

●とりあえず夏期講習

受験勉強をここから本格化させていく人にありがちなのが、「とりあえず夏期講習」です。集団塾や医学部専門予備校、個別指導塾や家庭教師など、業態は問わず夏期講習というものは存在します。

ただ、「どの塾の夏期講習を受けよう」の前に、まずは2つのことを考えてみてください。

1.目的

あなたの目的はなんですか?

なんのために夏期講習を受け、どうなりたいのでしょう?

2.自己分析

前提として、「夏期講習を受ける必要がある、と思ってしまうほどに志望校と現状の成績にギャップがある」状態があります。

ただ、そのギャップは何が原因で発生しているのでしょう?

学習時間の不足なのか、はたまたは勉強の方法がわからないのか、微分積分が苦手なのか、英単語が覚えられていないのか、力学が理解できないのか、無機化学を覚えられていないのか。

この2つが明確になっていない状態では、そもそも夏期講習など受ける資格がありません。悪い言い方をするならば、「いいカモ」になってしまいます。

「これが悪いからこの授業とこの授業、あとは医学部志望ならこの授業は絶対必要で、あとはこれも取らなきゃね…」

気が付いたら貴重な夏休みが授業だらけ!なんてことはザラです。

例えば目的が「医学部受験」ならば、当然レベルの高い指導を期待できる塾にしますよね。

とはいえ医学部専門予備校は数多存在しますし、かなりコストがかかるので、選ぶのも一苦労です。

医学部専門予備校と言ってもスタイルは集団、個別、マンツーマンと様々で、塾によって指導やカリキュラムも変わってきます。

そこで、ここに2の自己分析を交えて考察してください。

例えば、学習進度として遅れをとっている場合、もはや集団授業にはついていけません。

医学部専門予備校の最下位クラスなら入塾できるかもしれませんが、そこにいたところでもはや合格はほとんど見込めません。まさしく「カモ」です。

また、自分の苦手や課題が明確になっていない場合、向こうから提示される講習を鵜呑みにせざるを得ず、結果授業で雁字搦めにされ、自学の時間がほとんどとれない、つまり習得度が低い状態で夏を過ごし、「勉強した気」になって大切な夏を終えてしまうことになります。

学習時間も確保できていて学習進度にも遅れがなく、「夏で克服、達成したいこと」が明確になっていれば、自ら必要な講習を選び、効率よく夏期講習を利用できます。

しかしながら、「予備校の先生にお任せして」というスタンスで面談をしてしまうと、学習的にも費用的にも大きなロスとなってしまう可能性が大きいので注意してください。

毎年夏明けに、「夏期講習でたくさん授業をとったけど、成績が上がらない」という相談を数多く頂戴します。

正直、もうそうなってしまっては今年度の受験は厳しい、と言わざるを得ません。

夏期講習は受けるものではなくて、利用するものです。

夏期講習を受けることは目的を達成するための手段であって、夏期講習が目的となってはいけません。

自分の目的と現状に合った形式、内容の夏期講習を賢く選択しましょう。