”正しいステップを知ること”
だと思います。 考えることが苦手な生徒は、様々な要素が含まれている情報を、要素ごとに分解せず、1つの情報として捉え、処理しようとします。 例えるなら、(8+2)x3-12+2 = ?
という式を、計算の順序を気にせず、すべて同時に計算しようとするのと同じです。 この式を正しく解くには、 ①カッコの中を先に計算する ②掛け算割り算をする ③足し算引き算をする というステップを踏まなければなりません。 この①〜③のステップをまず”知る”ことが大切です。 ただし、”知る”ことがすべてでは、ありません。 昔から数学が苦手な私ですが、高校1年生の時に数学が得意なクラスメイトにどうすれば数学ができるようになるかを尋ねたことがあります。その時、彼は親切にも答えてくれました。”教科書読めば、わかるよ”
(わからないから聞いてるんだけど、、、、) 彼にとっては、教科書を読む事を通して、その問題を理解でき、踏むべきステップが見えるようですが、私には一向に見えてきません。教科書は正しいステップを教えてくれているはずなのですが、、、、なぜなのでしょうか。 当時の私の数学的なセンスがないとか、理解力がないとか、努力がたりないなど、原因は様々あるかもしれませんが、教える立場になり、考えるということについて考えてみたときに気づいたことがあります。 それは、”踏むべきステップの言語化”が重要であるということです。 言語化するには、なぜそのステップが必要なのか理解する必要があります。そして、言語化することにより、一つ一つのステップを細かく分解でき、より詳細なステップに落とし込むことができるのです。 実際、私は大学卒業後1年ほど、とある会社に就職し、営業職をしていたことがあります。 その時の上司は、なぜ数字が取れないのか!数字をあげる為の施作を考えろ!と事あるごとに言っていましたが、なにをどうすればいいんだろうかと常々感じていました。(その施作を考えるのが営業職なのかもしれませんが、、、) ただ、考えるには、”ステップを踏むこと”が欠かせません。 新しい範囲を習う生徒に対して、どうして解けないのか!どうやったら解けるか考えろ!と言っても時間の無駄です。 私も仕事柄、物事に対して考える力はある方だと自負していますが、門外漢の分野のことについて聞かれても考えようがありません。 なぜならば、何をどう考えればいいかがわからないからです。 営業で成果をあげる事ができる人、数学の問題が解ける人は、無意識的に必要なステップを組み立てられていると思います。 それができない人には、正しいステップを教え、それを本人が言語化できるようになるまで落とし込まなければなりません。”考える”ことは、”ゴール(=答え)に至るまでに必要なステップを正しく踏む”
物事を分解し、一つずつステップを踏みながら考えることで、ゴールに至ることができるようになると思います。
【著者プロフィール】 丸山 由朗 ( MEDUCATEエグゼクティブ講師 )
上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒
大学在学中にブラジルへ留学し、その間に南米大陸を一人旅で巡った経験を持つ。現在、国語/世界史/英語講師として活躍しているが、ポルトガル語も堪能である。また古代中国に対する造詣も深い。