医学部合格の極意1 悩む≠考える

記事執筆者

松本侑士

中央大学在学中から教育に携わり、新卒で大手塾に入社。教室長まで務め、生徒の将来と真摯に向き合い、驚異の合格実績を残した。2019年よりMEDUCATEの教務主任となり、理想の教育実現に向けて勇往邁進する。

こんにちは。医学部受験塾MEDUCATEの松本です。

このブログの読者の方の中には、
「医学部に行きたいけど、私の頭じゃ無理かも」
「数学が苦手だから、医学部は諦めて文系にしようかな」
「周りが無理と言うから、医学部受験はやめようかな」
など、医学部受験に対し、少なからず何かしらの悩みを抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
そのような方々に向け、単刀直入に申し上げます。
「悩んでいる」時点で、受かるのは不可能です。

受かる人間のマインドとは?

「悩む」とは、「何かを決めかねたり、解決の方法が見出せなかったりして、心を痛める(辞書より)」ということです。
要するに、それは「困っている」だけであって、答えは一向に出てくることはないですし、目標に前進することはありません。
答えを出すためには、「考え」なくてはなりません。
「なぜ、何をもってして自分の頭では無理だと判断したのか」
「具体的に数学の何が苦手で、その根本的な原因は何なのか」
「周りの人間が無理だと判断したのは、自分のどの側面を見てそう決めつけたのか」
悩みを思考へ変えていくためには、「問題の具体化」が重要です。
自分が問題視していることを、「なぜ」その問題が発生しているのか、「何」をすればそれが解決するのか、できる限り具体化し、漠然とした問題を、具体的な課題へと転換してみましょう。
例えば、上記の例の「数学が苦手だから」という問題を取り出してみます。
これだけでは手の打ちようもないので、これを「なぜ」苦手なのか、理由を考えてみましょう。
(例)
・そもそも数学の勉強時間が足りていない。
・実は苦手な範囲ばかりに目が行くだけで、苦手ではない範囲もある
・現状の自分のレベルと合致していない問題集を使用している
・公式を覚えていない
・根本的に計算速度が遅く、精度も低い

上記のように、苦手意識には様々な理由が考えられます。
我々が接してきた数学が苦手な子の中で最も多いのは、1つ目のそもそも勉強時間が足りていない、という理由です。
ある科目への苦手意識が先行して、または得意科目、好きな科目に時間を割きすぎて、苦手科目に対して時間をほとんどかけていない状況になっている子は非常に多いです。(試しに、ストップウォッチで実際に計ってみるとよいです。)
まず時間をかけなければ理解ができないばかりか、覚えていたものも忘れていき劣化していく一方であり、その結果さらに苦手意識が増していくことは言うまでもないでしょう。

また、例の2つ目の状況になっている子も比較的多く、できている分野があるにも関わらず、できていない分野があるせいでそこばかりに目がいってしまい、総じて「数学が苦手」と言ってしまっているケースです。
苦手なのは数学のどの分野で、なぜそれが苦手なのか、それを克服するために何をすべきなのか、こういった論理的・建設的思考力を持つことは、医学部受験に限らず必要となってくるものです。
逆に言えば、数学が得意と謳っている人も、全体的に得意ではあるものの、実はあまり得意ではない単元もある、といったこともありますから、変なレッテルを自ら張ることなく具体的に問題を「見える化」していきましょう。

「無理」というのは、結果から判断するものであって、その前段階で決めつけるものではありませんし、ましてや周囲が決めるものではありません。
周囲から無理と言われたから医学部を諦める、なんて話もたくさん聞いたことがありますが、語弊を恐れず言わせてもらうと、その程度で諦める意志の弱さなら医学部など端から受からないでしょう。
繰り返しになりますが、漠然と無理ではなく、なぜなのかを具体的に考え、自分の問題点を洗いざらい出してください。
自分の苦手に面と向かうことは苦しいですが、その末に自分の課題と解決策が待っています。
クリアすべきものが明確になれば、ネガティブだった感情もポジティブになり、一層前向きに勉強に励むことができるでしょう。

“学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざるは則ち殆し” -孔子「論語」より

学問とは学ぶことだけでは成り立たず、そこに自らの思考があってこそのものです。
受験生の皆さん!悩みなど捨てて、存分に考えてください!